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平成30年北海道胆振東部地震に関する町長メッセージ

平成30年9月6日の地震発生以降、毎年9月6日に町長がメッセージを発信しています。
これまで発信されたメッセージでは、共通して「多くの皆さんの支援を受けてきたこと」「懸命に復旧・復興に取り組んできた町民の皆さんに対する感謝」が述べられており、支援の力と町民の皆さんの存在が、復旧・復興の大きな力になってきたことが強く読み取れます。
ここでは、震災からの復旧・復興の状況について、毎年の町長メッセージから読み取ってみたいと思います。


1胆振東部地震から1年を迎えての町長メッセージ

最初は、震災から1年後の令和元年9月6日に発信されたメッセージです。
復興計画が策定された一方、仮設住宅での生活、発災から5ヶ月を経過した平成31年2月21日にも最大震度6弱を観測する余震が発生するなど、1年が経過しても住民の皆さんが不安な時期を過ごされていることが読み取れます。

 昨年9月6日午前3時7分突然の激しい揺れにより、大きな災害となった北海道胆振東部地震から今日で1年を迎えます。この地震により犠牲になられた方、ご遺族の皆様には心から哀悼の意を捧げます。
 また、地震発生により被害に遭われた多くの町民の皆様には、これまで復旧に向け懸命に取り組んでこられたことに敬意と感謝とともに、改めまして衷心よりお見舞い申し上げます。
 この一年間を振り返ってみますと、地震発生の直後から国や北海道、道内外の関係自治体、自衛隊をはじめとする関係機関、さらに全国各地から駆けつけ、被災地、被災者のために様々な支援活動に向き合っていただいたボランティアの方々など、本当に多くの皆様からのご支援ご協力、ご助言により、避難所運営や家屋の片付け、支援物資の供給など、震災初動時からむかわ町と町民皆様に大きな力をいただきましたこと、深く感謝申し上げます。
 現在、むかわ町は被災された町民の皆様の生活再建に向け、復旧から復興へ歩み始めており、それを加速し推進するため、本年7月に震災を受けて得た経験や教訓を基に「むかわ町復興計画」を策定いたしました。
 この計画は、単に震災前の状態に戻すのではなく、まちの将来像「人と自然が輝く清流と健康のまち」を基本に町民皆様と行政が力を合わせて、今後も将来に不安のない生活をおくることができるまちづくりを進め、「むかわの底力」により、未来につなぐ創造的復興・創生を目指していくものです。
 町民の皆様におかれましては、いまだ生活再建の真っ最中という方や将来の見通しに不安を抱える方など、大変厳しい環境の中におられることと思いますが、復興計画の具体化により、生活再建を最優先に、一日も早く日常生活を取り戻していただくために、今後も職員とともに全力で本町の復旧・復興・創生に向けて取り組んでまいります。
 終わりに、この一年余震などによる揺れにより、不安を覚える方も多くいらっしゃると思いますが、どうぞ、日頃から身を守るための点検や避難行動への意識など、防災をより身近に日常の備えに心がけていただきますよう改めてお願いを申し上げます。
 これからの町民皆様のご健康を願い、そしてご支援いただいている多くの皆様に改めて感謝とお礼を申し上げるとともに、今後も本町の発展にお力添えを賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

令和元年9月6日町長メッセージ

2胆振東部地震から2年を迎えての町長メッセージ

次は、震災から2年後の令和2年9月6日に発信されたメッセージです。
令和元年7月に策定された復興計画に基づき、被災された住民の皆さんの生活再建を最重要課題として事業が進行してきた一方、新型コロナウイルス感染症への対応という大きな課題と向き合うなかで、震災で得た経験や教訓を未来へつなぐ意思が読み取れます。

 平成30年9月6日3時7分、発生しました北海道胆振東部地震から本日で2年を迎えました。
 改めて、犠牲になられた方、被災された町民の皆様には心よりお見舞い申し上げますとともに、皆様の日常生活に戻るための取組に敬意を表します。
 また、発災直後からこれまで国や関係機関・団体、自衛隊やボランティアの方々など、多くの方々にご支援を頂き、深く感謝申し上げます。
 むかわ町では昨年7月に策定しました「むかわ町復興計画」に基づき、被災された方々の生活再建を最優先課題に掲げ、災害公営住宅などの建設を進めてまいりました。
 その復興の道半ばに、この度のコロナ禍に見舞われたところでもあり、町民の皆様に大変ご苦労をおかけしておりますが、この度の震災で得た経験や教訓を活かし、災禍に強いまちづくりを進めてまいります。
 町民の皆様におかれましては、突然訪れる災害に備えるため、日頃から身を守る点検や行動を心がけるとともに、感染症対策も万全を期していただきますようお願いいたします。
 結びとなりますが、これまでご支援頂いた方々へ感謝の意を込めて、災禍を乗り越え復興へと進む、むかわ町のこれからの姿を全国に発信してまいります。
 全国各地の皆様、災禍に負けないむかわ町をぜひ応援してください。
 町民の皆様、復興へと進むむかわ町をともに創りあげていきましょう。

令和2年9月6日町長メッセージ

3胆振東部地震から3年を迎えての町長メッセージ

次は、震災から3年後の令和3年9月6日に発信されたメッセージです。
着実に復興に向けた事業が進行している一方、人口減少やまちなかの再生などの課題が山積していること、新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、震災復興と長引く感染症対策でまちが厳しい局面下にあることが読み取れます。

 平成30年9月6日午前3時7分、むかわ町はかつてない震度6強の大地震に襲われました。この地震により、むかわ町では1名の尊い命が失われ、重軽傷者277名、3,600戸を超える建物被害を受け、町の景色も皆さんの生活も一変しました。地震で亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
 本日、北海道胆振東部地震から3年を迎えます。振り返りますと、地震発生時の混乱した中での避難所生活、散乱した家財の跡片づけ、仮設住宅の入居、そして、昨年は災害住宅への引っ越し等、数々の困難に立ち向かってこられた皆さんに心から敬意を表します。
 町は、関係機関・団体をはじめ、全国の多くの方々からご支援をいただき、被災者の生活再建を最優先に、また、被災した農林業施設の再生による基幹産業の活性化に向け、各種事業を職員一丸となって進めています。今日までの復旧・復興に対し、改めまして温かいご支援とご協力をいただき、心から感謝と御礼を申し上げます。
 一方、近年各地で経験したことのない豪雨災害が起き、人命や家財に大きな被害が発生しています。地震や自然災害は人の力が及ばないところがありますが、これまでを教訓に、外部からの支援体制の構築、情報の伝達強化等、災害により強いまちづくりを進めています。
 なお、これまでのご支援に対する感謝と、これから町が歩みを進めていく思いを込めて、9月中に日高線等で、震災復興のシンボルであるカムイサウルス(むかわ竜)をデザインしたラッピング列車の運行を予定しております。
 そして現在、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、この状況下で災害が発生しますと、感染対策に対応したより厳しい取り組みが求められます。胆振東部地震からのまちなか再生や人口減少など、課題は山積しています。
 地震により得た経験と教訓を町民の皆さんとともに共有し、一人ひとりが防災・減災について考え、行動できるよう、9月6日に起きた地震を忘れず進んでいきましょう。

令和3年9月6日町長メッセージ

4胆振東部地震から4年を迎えての町長メッセージ

次は、震災から4年後の令和4年9月6日に発信されたメッセージです。
最優先課題であった生活再建から産業の再生へと復興プロセスが進んできたことのほか、「震災を語り継ぐ」「未来につながる」など震災からの復興が新たなフェーズに進んでいることが読み取れます。

 本日、平成30年9月6日に発生した北海道胆振東部地震から、4年を迎えました。改めて、犠牲になられた方々に、謹んで哀悼の誠を捧げます。
 むかわ町は、震災からの復興を最重要課題と位置づけ、全国の方々からいただいた多くの御支援を力に、力を形に町民一丸となって復興に取り組んできました。
 これまでに、被災者皆さんの生活再建に向けた住環境と施設整備、被災した農林水産業施設の再生による再構築といったハード・ソフト両面の復旧・復興は着実に進んできています。
 引き続き、震災復興をとらえ直し、まちが目指す「人とつながる 笑顔でつながる 未来につながるまち むかわ」を基本に、災害により強い「創造的な復興・創生」に対し、切れ目のない対策を進めていきます。
 9月6日は、「北海道胆振東部地震を語り継ぐ日」と考えています。地震を未然に防ぐことはできませんが、是非9月を防災を考える期間として、地震や洪水などでの避難場所の確認などを、家族や近隣の方々と共有し、災害への心構えをお願いしたいと思います。
 これまでの復興の歩みの中で得られた多くのつながりや、人と人とが支え合うことの大切さを胸に、いざという時の備えを大事に、震災の教訓を語り継ぎ、力を合わせて、町を共に創り上げる「共創(きょうそう)」に向け、一緒に歩んでいきましょう。

令和4年9月6日町長メッセージ

5胆振東部地震から5年を迎えての町長メッセージ

次は、震災から5年後の令和5年9月6日に発信されたメッセージです。
課題であったまちなかの再生事業に着手するとともに、事前に「大規模災害後の復興まちづくり」を定めておく事前復興計画の策定に着手するなど、災禍を経験したまちとして、創造的復興に取り組んでいることが読み取れます。

 5年前の9月6日、私たちは経験したことのない大きな揺れに見舞われました。
 この地震により亡くなられた方、怪我をされた方、住宅や家財などへの損害、町の景色が一変し、被害の大きさは甚大でした。
 そして、国や多くの方々から支援をいただき、災害公営住宅の建設など、地震からの復旧を進めてきました。
 復旧から復興に向け、現在、両地区のまちなか再生の第一弾として穂別博物館再整備を中心とする事業に着手するとともに、胆振東部地震を経験した町として、地震に備える「事前復興計画策定」に動き出しています。
 今年は関東大震災から100年の年となります。地震は前触れもなく突然起こります。日頃から地震や気候変動による豪雨災害等への備えと点検を行うとともに、避難所への道路などの確認をお願いいたします。
 まだ復興は道半ばです。震災からの復興をとおして様々な企業・団体とのご縁が構築されてきています。こうした、つながりを効果的に活かしながら、むかわの未来を共に切り拓いてまいりましょう。

令和5年9月6日町長メッセージ