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むかわ町復興計画

地震発生からおよそ2ヶ月が経過した平成30年11月11日、四季の館に開設していた避難所を閉鎖し、生徒寮が被災した鵡川高等学校の生徒が避難する生涯学習センター報徳館も同年12月21日に閉鎖され、避難所運営業務が終了しました。

ここから復興計画策定に向けた動きが本格化します。
発災から1ヶ月後の平成30年10月6日より、庁内全職員による「復興推進プロジェクトチームが発足、平成30年12月27日には「むかわ町災害復興推進本部」を庁内に設置し、復興計画の本格的議論を開始しました。

復興計画を策定した自治体との意見交換、議会説明や仮設住宅で生活する住民との懇談、まちづくり委員会での議論、パブリックコメントや町内関係団体への意見照会を経て、令和元年7月に「むかわ町復興計画」を策定しました。


1復興に向けての基本理念

「震災の試練を乗り越え、貴重な機会ととらえ、「むかわの底力」により未来へつなぐ創造的復興・創生」

まちの将来像「人と自然が輝く清流と健康のまち」を基本に、町民と行政が力を合わせていきいきとした生活が営めるまちづくりを進め、ふるさと「むかわ」の未来へつなぐ創造的復興・創生を目指すこととしました。

2復興の考え方

「復旧」とは震災前の状態に戻すこと、「復興」とは長期的な展望に基づいてこれまで以上により安全で快適な新しい生活の場を創出すること、という考えのもと、むかわ町復興計画が掲げる「創造的復興・創生」とは、単なる復興ではなく、未来へつなげるまちづくりに向けて、地方創生の取組と連動して、人口減少対策・まちづくりなどさらなる発展を目指して復興を成し遂げることとしました。

復興の考え方

3復興に向けた取組

(1)被災者の生活再建

住民が元気に暮らし、活力あるまちづくりを進めるための健康維持・増進についての取組、住宅の損壊により応急仮設住宅をはじめとして転居を余儀なくされている住民のための住宅の確保、被災した児童福祉施設や教育施設等の復旧を行い子育て環境や学習環境の充実に努めることとしています。

(2)災害に強いまちづくり

災害への備えや対応について行政・地域・住民が一丸となった防災・減災のための取組の推進や住民に対する実効性のある迅速な情報伝達、被災した胆振東部消防組合消防署鵡川支署の移転新築、震災により被害を受けた道路・橋りょう施設、公共インフラの復旧優先と引き続きの整備に努めることとしています。

(3)産業・経済の再生と発展

産業基盤である農業施設、森林・林道、漁港施設などの産業基盤の早急な再生と各施策による産業の発展、被害の大きかったまちなかについて地域経済の復興、住民生活の利便性向上や地域一体となったコミュニティ促進の観点を踏まえたまちなかの再生を進めることとしています。

(4)情報共有と町民参加によるまちづくり

現行のまちづくり計画を復興を含めた計画とするための改定作業早期着手、災害発生時に被害を最小限に止めるための実効性ある住民への迅速な情報伝達、情報通信施設の被災により災害情報の伝達が途絶した経験を踏まえた情報基盤の強靱化を図ることとしています。

(5)多様なネットワークを大切にするまちづくち

失われた人流を取り戻すとともに甚大な被害を受けたまちなかの賑わい創出・活性化を図る観点からの博物館を中心としたまちづくりの推進、長年にわたり町民により受け継がれてきた歴史的建造物の復興と地方創生の取組を着実に推進する観点からの取組、震災でより強固なつながりとなった姉妹都市交流をはじめとする関係人口の拡大を図ることとしています。

4復興計画のいまとこれから

(1)復興計画の計画期間

むかわ町復興計画の計画期間は令和元年度から令和7年度までの7年間です。
令和元年度から令和2年度までを第Ⅰ期「復興始動期」、令和3年度から令和5年度までを第Ⅱ期「復興展開期」、令和6年度から令和7年度までを第Ⅲ期「復興・創生期」と位置づけています。

(2)復興計画のいま

策定した復興計画に基づき、令和3年3月に策定された「第2次むかわ町まちづくり計画(計画期間:令和3年度~令和12年度)」にこの復興計画は内包されました。

第2次むかわ町まちづくり計画の前期(令和3年度~令和7年度)は復興計画における第Ⅱ期「復興展開期」と第Ⅲ期「復興・創生期」に応答することから、まちづくり計画の各種施策を分野横断的に実施する施策群で構成する「重点プロジェクト」にて、復興計画の推進も図ることとしています。

(3)復興計画のこれから

この投稿現在(令和6年3月)、復興計画は第Ⅲ期「復興・創生期」に入っていきます。
各種取組は着実に推進されており、まちなかの再生も本格化しています。

むかわ町はまだ復興途上です。